第16回第1部 速報
※正しい内容を発信しようと心がけていますが、誤った情報が記載されているかもしれません
問題1 隙間(エアギャップ)がある磁気回路を示す。エアギャップに糸で金属の小片を吊したところ、小片はわずかに右へ引き寄せられた。この実験系について正しいのはどれか。3つ選べ。
1.小片は銀である
2.小片はチタンである
3.小片は常磁性体である
4.小片は磁化率を持つ
5.エアギャップを流れる磁力線の向きは左から右である
問題2 1Hの共鳴周波数が127.8MHzのMRI装置において、水と脂肪の磁化がIn-phaseを繰り返す周期で正しいのはどれか。ただし、R:繰り返し周期【s】、C:ケミカルシフト【ppm】、r:磁気回転比【42.6MHz/T】とする。
1.R=r/3C
2.R=1/2Cr
3.R=1/3Cr
4.R=1/6Cr
5.R=6Cr
問題3 他院の1.5T MRAで小さな動脈瘤が疑われ、存在確認と大きさの変化の観察を兼ねるという依頼で検査が行われようとしている。どのような検査を行うべきか担当の若手技師に聞かれました。回答として望まれるのはどれか。
1.「MIPやVRを多めに作れば、元画像はいらない」
2.「3Tの装置で行い、高空間分解能のMRAを行うとよい」
3.「1.5Tで検査したので、大きさを見るため今回も1.5Tで撮った方がよい」
4.「いつも通りで大抵分かるので、一応画像を確認して移っていればそれでよい」
5.「いつものTOFに加え、PC-MRAのVENCを15cm/sに設定したものを追加しておくとよい」
問題4 動脈瘤のコイル塞栓術で瘤の頸部に血流の残余があることが前回の当院で行われた1.5TMRAでわかり、経過観察のためにMRI検査が行われるところである。開存内腔が大きくなったら再手術を検討するという。どのような検査を行うべきか担当の若手技師に聞かれました。回答として望まれるのはどれか。
1.「今回はMRAのみでよい」
2.「3Tの装置でMRAを行うとよい」
3.「MIPやVRを多めに作れば、元画像はいらない」
4.「大きさを見るため今回も同じ装置で撮った方がよい」
5.「いつものTOFに加え、PC-MRAの15cm/sに設定したものを追加しておくとよい」
問題5 一般的な神経支配の組み合わせで正しいのはどれか。3つ選べ。
1.横隔神経ー第3~5頸神経
2.腕神経叢ー第3~7頸神経
3.大腿神経ー第2~4仙骨神経
4.骨盤内臓神経ー第2~4仙骨神経
5.坐骨神経ー第4~5腰神経と第1~3仙骨神経
問題6 正しいのはどれか。2つ選べ。
1.視神経は中脳から起こる
2.外転神経は橋から起こる
3.動眼神経は橋から起こる
4.眼神経は三叉神経から起こる
5.上顎神経は顔面神経から起こる
問題7 正しいのはどれか。2つ選べ。
1.骨の表面は骨膜で被われる
2.心臓壁は心内膜・心外膜の2層からなる
3.大動脈は内膜・中膜・外膜の3層からなる
4.子宮は粘膜・筋層・繊維膜の3層からなる
5.髄膜は外側から軟膜・くも膜・硬膜の3層からなる
問題8 Dixon法について正しいのはどれか。3つ選べ。
1. Two point 法には2回撮像が必須である
2. Multi point 法は磁場の不均一性の影響を補正できる
3. Multi point 法では脂肪、鉄沈着の検出にも使用できる
4.位相差が対称である three point 法は、ボクセル内の脂肪と水の比率が同量になると両者を判別できない
5.高速スピンエコー型は refocusing pulse の位置を変えることで同位相、逆位相の信号を取得している
問題9 1H-MRSについて正しいのはどれか。3つ選べ。
1.シミングは水抑制なしで行う
2.加算回数を増やすことでスペクトルの信号値が高くなる
3.PRESSとSTEAMの局在化の精度はPRESSの方が良い
4.STEAMの2ndRFと3ndRF間の時間(Mixing time)はTEに依存しない
5.アクティブシミングは局所磁場を補正する際に高次成分の補正を行う
問題10 スパイラルスキャンについて正しいのはどれか。3つ選べ。
1.流れや動きの影響を受けにくい
2.渦電流の影響を考慮すべきである
3.空間分解能が等方性な画像が得られる
4.磁場の不均一性が画像全体へのボケの原因になる
5.受信した信号を極座標系に変換する必要がある
問題11 正しいのはどれか。3つ選べ。
1.磁場勾配により位相差を生む
2.送信バンド幅が同じ場合、スライス厚は磁場勾配に比例する
3.読み取り傾斜磁場にてdephasing lobe がない場合はハーフエコーとなる
4.位相エンコードステップの最大勾配磁場の強度は位相差が±πを超えないように設定する
5.位相エンコードステップの直後に位相差を再収束させるために極性が反転した磁場勾配を印可する
問題12 正しいのはどれか。3つ選べ。
1.k空間は複素数共役対称の性質がある
2.k空間を広くするほどFOVは狭くなる
3.ラジアルスキャンは直交座標系で観測する
4.パラレルイメージングにおけるg因子はコイル感度分布に依存する
5.k空間は画像を構成する様々な空間分解能をもつ正余弦波のフーリエ係数を表す
問題13 正しいのはどれか。2つ選べ。
1.受信バンド幅はサンプリング間隔に比例する
2.トランケーションはデジタルサンプリング数が有限であることに起因する
3.FOVを変化させずにピクセルサイズを小さくした場合、傾斜磁場強度が弱くなる
4.サンプリング時間はサンプリング間隔に周波数マトリクス数を除したもので示される
5.サンプリング周波数の半分よりも高い周波数をもつ信号をサンプルするとエイリアシングが起こる
問題14 高速スピンエコー法について正しいのはどれか。3つ選べ。
1.ETLが大きい場合、T2フィルタリングが起こる
2.様々なTEでエコーが収集されるためTE平均化が起こる
3.ブラーリングはk空間の低周波成分に信号の低いデータを格納することによる
4.再収束パルスは狭い送信バンド幅をもつためMTパルスとして作用することがある
5.脂肪が高信号になるのはJカップリングによる信号低下が脂肪に作用しにくいためである
問題15 グラディエントエコー法について正しいのはどれか。3つ選べ。
1.Balanced SSFP は3軸の流速補正が成り立つ
2.誘発エコー成分も受信信号として利用できる
3.スポイリングは残留横磁化の影響を排除できる
4.Balanced SSFP の信号強度T2/T1に反比例する
5.傾斜磁場スポイリングとRFスポイリングは併用できない
問題16 正しいのはどれか。2つ選べ。
1.STIR法は脂肪を特異的に抑制する
2.DE(driven equilibrium)パルスは横緩和を強調する
3.CHESS法は共鳴周波数の差を利用して特定の組織だけを飽和させることができる
4.On-resonance法でのMTパルスは縦緩和時間の差を利用して結合水の磁化を飽和させる
5.成人健常者の脳実質において、白質より灰白質の方がMTパルスによる信号低下が大きい
問題17 MRアンギオグラフィについた正しいのはどれか。2つ選べ。
1.PC 法は双極傾斜磁場による位相シフトを利用する
2.TOF法はinflow効果を利用して血流を高信号に描出する
3.PC法において位相シフトがπのとき最大の信号強度を示す
4.PC法において低いVENC設定ほど、傾斜磁場の印可強度は弱くする必要がある
5.3D-TOF法における可変フリップ角法は、末梢血管の側のフリップ角を小さくする
問題18 乳房MRIについて正しいのはどれか。
1.MRSは短いTEを使用すると良い
2.撮像は生理周期の後半に行うのが良い
3.シリコンインプラントの共鳴周波数は脂肪より高い
4.シリコンインプラントの評価にはSTIRに選択的水抑制を使用したT2強調画像を撮像すると良い
5.BI-RADS MRI ではbackground parenchymal enhancement(BPE)の評価は造影後期相の画像で実施することが推奨されている
問題19 心臓MRIについて正しいのはどれか。2つ選べ。
1.細胞外容積分画(ECV)は装置の静磁場強度に依存する
2.肺体血流比(Qp/Qs)はシネMRI画像を用いて算出する
3.遅延造影にPSIR法を用いた場合、TIの設定は深海に調節する必要はない
4.心筋のnative T1 valueは静磁場強度が同じであれば、異なる装置間でも直接比較することができる
5.駆出率(EF)は(EDV-ESV)/EDV×100(%)で求める。ここで、EDVは拡張終末期容積、ESVは収縮末期容積とする
問題20 膝MRIを示す。図aの白破線はb,cの撮像断面位置を示す。正しいのはどれか。2つ選べ。
1.図aの黒矢印は前十字靱帯である
2.図cは脂肪抑制T1強調画像である
3.図bの白丸で囲まれた領域は腸脛靱帯である
4.図cの白矢印の高輝度領域は半月板後角にある
5.図cの白矢印の高輝度領域は半月板後節にある
問題21 アーチファクトに対する対策で正しいのはどれか。3つ選べ。
1.流れーGradient moment nulling(GMN)の利用
2.磁化率ーView angle tilting(VAT)の利用
3.ゴーストーTRを短縮する
4.化学シフトー受信バンド幅を広くする
5.トランケーション(打ち切り)ー位相エンコード回数を間引く
問題22 シングルショットEPIに対するマルチショットEPIの特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.撮像時間が短い
2.磁化率アーチファクトが増加する
3.Readout方向にもmultishot化できる
4.動きによるアーチファクトを生じやすい
5.エヌハーフアーチファクト(N/2ghost)を生じやすい
問題23 SNRの測定について正しいのはどれか。3つ選べ。
1.バックグラウンド領域のノイズは正規分布を示す。
2.表面コイルを用いる場合はSNRと画像均一性の評価を同時に行う
3.比較的信号が均一でアーチファクトを含まない領域にROIを設定する
4.差分法を用いる場合は」差分処理で負の値を0にするような閾値設定をする
5.バックグラウンド領域からノイズを求めるときは、ノイズ補正係数0.655で除す必要がある
問題25 シングルショットEPIで得られた拡散強調画像を示す。この画像とアーチファクトについて正しいのはどれか。2つ選べ。
1.位相エンコードはRL方向である
2.アーチファクトが原因でADC値が不正確になる
3.周波数エンコード数はアーチファクトに影響しない
4.パラレルイメージングの倍速ファクターでアーチファクトの出現位置がかわる
5.アーチファクトは偶数エコー、奇数エコーの位相がそれぞれシフトすることが原因で発生する