第14回第1部
1) 静磁場が強くなると起こる現象に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- T2値は長くなる.
- 信号雑音比は大きくなる.
- 磁気回転比は大きくなる.
- ラジオ波の波長は長くなる.
- Magnetization transfer 効果は強くなる.
2) 正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- T1値 ≧ T2値
- T2値 > T2*値
- 脂肪の T1値 > 水の T1値
- 脂肪の T2値 > 水の T2値
- 大脳白質の ADC > 大脳灰白質の ADC
3) NMR 信号の信号雑音比に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- T1値の長い試料ほど大きくなる.
- T2値の長い試料ほど大きくなる.
- エコー時間が長くなると大きくなる.
- 繰り返し時間が長くなると大きくなる.
- 1ch あたりの受信コイルの半径が長くなると大きくなる.
4) 円筒型の全身用超電導 MRI 装置において利用が困難な受信コイルはどれか.
※静磁場は体軸方向
- アレイコイル
- サドルコイル
- ソレノイドコイル
- サーフェースコイル
- バードケージコイル
5) 受信コイルの半径を r,共鳴周波数をωとした場合,信号強度を表す関係式はどれか.
※ノイズは無視する.
1.rw2
2.r2w2
3.r3w2
4.√rw
5.w√r
6) RF パルスを 3 回印可したときに発生するエコー数はどれか.
※RF パルスの 1 番目と 2 番目の間隔は 20ms,2 番目と 3 番目の間隔は 40ms とする.
- 2
- 3
- 5
- 7
- 8
7) 1-2-1 の二項展開パルス(binomial expansion pulses)によって水を励起する.1
H の共鳴周波数を f [MHz],ケミカル
シフトを C [ppm]とした場合のパルス間隔はどれか.
- C・f
- 2・C・f
- 1 / (C・f )
- 2 / (C・f )
- 1 / (2・C・f )
8) X 軸に対して 20mT/m の傾斜磁場をかけた場合,磁場中心から X 軸方向に 10cm,Y 軸方向にも 10cm 離れた地
点の磁場はどれか.
- 1mT
- 1.4mT
- 2mT
- 4mT
- 10mT
9) 傾斜磁場の波形を以下に示す.この傾斜磁場波形のスリューレート(mT/m/s)で正しいのはどれか.
- G / d
- G / d×10-6
- G×10-3 / d
- 2G / d×10-6
- G / 2d×10-6
10)正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 部分フーリエ法は撮像時間を短縮できる.
- ゼロ充填補間法は空間分解能が向上する.
- 実空間の位置(座標)は k 空間の位置に対応している.
- 実空間のピクセル径(ΔX)の逆数が k 空間の横軸の長さ(kx)になる.
- k 空間の空間周波数成分(Δkx)の逆数が実空間のピクセル径(ΔX)になる.
11)正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 傾斜磁場は磁気モーメントの位相分散(dephasing)を伴う.
- 傾斜磁場強度が低いほど,薄いスライス厚の撮像が可能である.
- 送信 BW(バンド幅)が広いほど,薄いスライス厚の撮像が可能である.
- 励起 RF パルスはシンク波で左右のローブが多いほどフーリエ変換は矩形に近づく.
- スライス選択傾斜磁場(GZ)を t 時間印加したことによる位相分散を再収束させるには,極性が反対で同じ強さ
の傾斜磁場(-GZ)を同じ t 時間印加すればよい.
12)化学シフトに関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 水の 1H 原子核の化学シフトは脂肪より約 3.5ppm 低い.
- 化学シフトアーチファクトは受信バンド幅を広げると強くなる.
- 第 2 の化学シフトアーチファクトはあらゆる方向に出現する.
- 第 2 の化学シフトアーチファクトを利用すると脂肪を定量できる.
- EPI を除き化学シフトアーチファクトは位相エンコード方向に現れる.
13)NEMA における均一性測定に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- スライス厚は 10 ㎜以上にする.
- スパン Δは(Smax-Smin)/2 である.
- TR は信号発生物の T1値の 3 倍以上にする.
- データ収集マトリクスは 256×256 以上にする.
- 撮像画像に 9 点ローパスフィルター処理を行う.
14)NEMA におけるスライス厚測定に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 高速 SE 法が望ましい.
- シングルスライスで撮像する.
- TR は信号発生物質の T1値の 3 倍以上にする.
- ウエッジ法のスライス厚はFWHM × tan aである.
- ウエッジファントムが 2 つあるのは磁場不均一の補正のためである.
15)NEMA における SNR 測定に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 部屋とファントムの温度は 22±4℃にする.
- 信号発生物質の T2値は 50ms 以下である.
- 信号発生物質の T1値は 1200ms 以上である.
- TE は信号発生物の T2値の 1/2 以上にする.
- TR は信号発生物の T1値の 3 倍以上にする.
16)パラレルイメージングファクタを 1 から 2 に増やし,受信バンド幅を 2 倍,スライス厚を 2 倍にした場合の SNR はど
れか.
※ジオメトリファクタは無視する
- 1/2
- 1/√2
- 1
- 1 × √2
- 2
17)スピンエコー法に対する高速スピンエコー法の特徴に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 脂肪の信号が高くなる.
- T1コントラストが向上する.
- T2コントラストが向上する.
- T2値の長い組織の信号が強調される.
- メタルアーチファクトの影響が顕著になる.
18)マルチスライス法によるスピンエコー法(TR 500ms, TE 10ms, サンプリング時間 8ms)の撮像可能枚数の上限はど
れか.
- 27 枚
- 28 枚
- 30 枚
- 35 枚
- 36 枚
19)反転回復(IR)法に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- STIR 法は脂肪に対する特異性が低い.
- STIR 法は CHESS 法より信号雑音比が向上する.
- FLAIR 法はスライス非選択性の IR パルスを使用する.
- White matter attenuated IR 法は脳組織の灰白質の信号を抑制できる.
- Null point の時間は抑制したい組織の T1値に 0.693 を乗じと求めることができる.
20)Single-shot EPI に対する multi-shot EPI の特徴に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 撮像時間が短い.
- 磁化率アーチファクトが増加する.
- Readout 方向にも multishot 化できる.
- 動きによるアーチファクトを生じやすい.
- エヌハーフゴースト(N/2 ghost)を生じやすい.
21)Apparent diffusion coefficient(ADC)に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- ADC 値の単位は[s/mm2]である.
- 生体組織の温度は ADC 値に影響する.
- 運動検出傾斜磁場の印可時間や間隔は同じ b 値であれば ADC 値に影響しない.
- ADC 値を計算するためには運動検出傾斜磁場を 3 軸方向以上に印可しなければならない.
- 大きな MPG(b2)の信号強度を S2,小さな MPG(b1)の信号強度を S1 とすると ln(S1/S2)/(b2-b1)で求める
ことができる.
22)正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- Compressed sensing(CS) MRI は画像容量を圧縮することができる.
- Quantitative susceptibility mapping(QSM)は磁化率を定量することができる.
- Synthetic MRI はデータベースを元に T1値や T2値などを推定するこができる.
- MR fingerprinting は古典的なカーブフィッティングにて T1値や T2値などを推定することができる.
- Chemical exchange saturation transfer(CEST) MRI は水素イオン指数の変化を捉えることができる.
23)脳血流を評価するための Arterial spin labeling(ASL)法に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- T2*強調像を利用する.
- 遅延血流がある場合には血管内信号が高くなることがある.
- Post labeling delay(PLD) time は 1 秒以下に設定しなければならない.
- 血流に信号を与える RF パルスの印加効率は,連続波の方が単独波より高い.
- 本法で得られる脳血流定量値はヘマトクリット値やヘモグロビン濃度によって変化する.
24)脳卒中の MRI 検査に関する正しい記述はどれか. 3 つ選べ.
- 早期の脳梗塞部の多くは見かけの拡散係数(ADC)が上昇する.
- アルテプラーゼ(rt-PA)の適応選択に MRI を用いることができる.
- アルテプラーゼ(rt-PA)治療後の経過観察に MRI を用いことができる.
- 脳血管解離が疑われた場合でも拡散強調像で梗塞巣があればアルテプラーゼ(rt-PA)は適応である.
- 発症後 8 時間を超え 16 時間以内の急性期脳梗塞に対して血栓回収術を施行する場合は,灌流と臨床所見等
のミスマッチを検出する必要がある.
25)Proton MR spectroscopy(MRS)に関する正しい記述はどれか. 2 つ選べ.
- 肝性脳症はグルタミンが低下する.
- 脳虚血は乳酸(lactate) が低下する.
- 多発性硬化症はコリン(cho)が上昇する.
- 放射線壊死のような病態では脂質(lipid)が上昇する.
- びまん性軸索損傷は NAA(N-acetyl-aspartate)が上昇する.