第15回第2部

26)MRA(magnetic resonance angiography)に関する正しい記述はどれか.2つ選べ.

  1. 造影MRAのTEはopposed phaseが望ましい.
  2. TOF(time of flight)法はT1値の長い組織が高信号になる.
  3. FBI(fresh blood imaging)法は収縮期と拡張期の信号強度差を利用する.
  4. TONE(tilted optimized non-saturating excitation)法は流入側から流出側に向かってFAを小さくする.
  5. PC(phase contrast)法はVENC(velocity encoding)を超える流速を遅い流速として表現してしまうことがある.
解答
3.5

解説
1.
2.TOFはTI値の短い組織が高信号になる。
3.正しい
4.TONEは流入側から流出側に向かってFAを大きくする
5.VENCを超えると逆向きの流速と見なされる。

MRI完全解説 p581.597.613

27)TOF法にて内径 10mm,最大流速 80cm/secの血管を断層厚 5mm,Flip Angle 50°にて撮像する際,信号強度が
最大になるTRとTEの組み合わせはどれか.対象血管のレイノルズ数は2000である.

  1. TR 6.25msec, TE 3.5msec
  2. TR 6.25msec, TE 5.25msec
  3. TR 12.5msec, TE 3.5msec
  4. TR 12.5msec, TE 7.0msec
  5. TR 25.0msec, TE 12.5msec
解答
1

解説
v=d/TRのとき信号強度は最大になる。
80(cm/sec)=5(mm)/TR
TR=6.25(msec)
TEは短い方が信号強度が大きくなる。また、TEが長くなると、再収束パルスを受ける前に、血液が通り過ぎてしまう。

MRI完全解説 p571

28)拡散イメージングに関する正しい記述はどれか.2つ選べ.

  1. 拡散強調画像は膿瘍内容が高信号になる.
  2. 水分子拡散の確率密度分布は生体内で正規分布しない.
  3. 完全な等方性拡散の FA(fractional anisotropy)値は1である.
  4. 水の ADC(apparent diffusion coefficient)値は実質臓器よりも低い.
  5. DTI(diffusion tensor imaging)の MPG(motion probing gradient)は 3 軸以上必要である.
解答
1.2

解説
1.正しい
2.正しい
3.完全な等方性拡散のFA値は0(脳脊髄液など)。白質などの繊維方向がそろっている部位で大きくなる(1に近くなる)
4.高い。ADC値(mm2/sec)は拡散の大きさを表す。
5.6軸以上

MRの実践 p92.93

29)造影検査に関する正しい記述はどれか.2つ選べ.

  1. 緩和時間の逆数を緩和能と呼ぶ.
  2. SPIO(superparamanager iron oxide)は T1 強調画像で活用する.
  3. 塩化マンガン四水和物は T2 強調画像にて陰性造影効果を示す.
  4. Gd-EOB-DTPA の血漿中の r1 値,r2 値は Gd-DTPA より高い値を示す.
  5. ガドリニウム造影剤 0.1mmol/kg 投与時の血中消失半減期はクレアチニンクリアランスが正常の場合約 30 分
    である.
解答
3.4

解説
1.緩和時間の逆数は緩和速度。緩和能は造影剤などの常磁性体が単位濃度あたりどの程度1Hの緩和時間を短縮するかという指標
2.SPIOは陰性造影剤として利用される。T2強調画像で利用される。
3.正しい
4.正しい。約2倍
5.1.8時間

MRの実践 p150

30)ASL(arterial spin labeling)法に関する正しい記述はどれか.3つ選べ.

  1. Pulsed ASL 法は 2 種類の反転 RF パルスを用いて流入動脈を標識する.
  2. Continuous ASL 法は pulsed ASL 法と比較して撮像部位の MT 効果が目立つ.
  3. 標識する部位と撮像断面が離れていると局所血流量を過小評価してしまう可能性がある.
  4. 標識された血液が太い血管内に残ると脳実質の局所血流量を過大評価する可能性がある.
  5. RF パルスのプロファイルの精度が低下すると局所血流量を過大評価してしまう可能性がある.
解答
2.3.4

解説
1.1回の反転パルスを用いる
2.正しい。
3.正しい
4.正しい
5.過小評価してしまう

MRI完全解説 p641

31)肝臓の MR elastography に関する正しい記述はどれか.3つ選べ.

  1. 双極性傾斜磁場を用いる.
  2. 鉄沈着の強い症例に有用である.
  3. TE(echo time)は加振周波数に依存する.
  4. ずり弾性率は弾性体の伝搬波速度と密度から算出する.
  5. 心拍動の影響で左葉領域の測定値が不正確になることがある.
解答
1.4.5

解説
MRエラストグラフィは双極磁場勾配(BPG)を印可して、生体の硬さを画像化する技術
1.正しい。
2.鉄沈着に弱い。
3.
4.正しい。
5.正しい。

MRI完全解説 p650

32)CEST (chemical exchange saturation transfer)イメージングに関する正しい記述はどれか.3つ選べ.

  1. B0 の不均一は画像に大きく影響する.
  2. プレパルスとして短時間の飽和パルスを用いる.
  3. CEST 効果を表す指標として MTRasym 値がある.
  4. 健常脳の MTR(magnetization transfer ratio)は白質より灰白質が高い.
  5. APT イメージングは可動性蛋白やペプチドに含まれるアミドプロトンを検出している.
解答
1.3.5

解説
1.正しい
2.
3.正しい
4.
5.正しい。
現在のCESTによるphマッピング法としては、可動性蛋白やペプチドに含まれるアミドプロトンを検出しているAPTイメージング、ヨード系造影剤を用いたIopamidol CEST、常磁性体金属を用いたPARACESTがある。


MRI完全解説 p347 
2013年9月号INNERVISION本誌 

33)A は中心溝である.正しい記述はどれか.3つ選べ.

  1. A は前頭葉と後頭葉の境界である.
  2. A の前方に一次運動野が存在する.
  3. B には一次聴覚野が存在する.
  4. B には一次視覚野が存在する.
  5. C にはブローカーの言語野が存在する.
解答
2.4.5

解説
ソース画像を表示



34)女性骨盤の T2 強調画像を以下に示す.正しい記述はどれか.2つ選べ.

  1. A は筋層である.
  2. B は junctional zone である.
  3. 子宮内膜は閉経後に委縮する.
  4. Junctional zone は月経時に描出不良となる.
  5. 子宮内膜は生理周期の増殖期に最も厚く描出される.
解答
3.4

解説
1.Aはjunctional zone
2.Bは子宮体部
3.正しい
4.正しい
5.子宮内膜は黄体期に最も厚く描出される

MRの実践 p283

35)肩関節の T1 強調画像を以下に示す.正しい記述はどれか.2つ選べ.

  1. A の断面は b である.
  2. C は鎖骨である.
  3. C は肩峰である.
  4. D は棘上筋である.
  5. D は棘下筋である.
解答
1.4

解説
1.正しい。
2.Cは烏口突起
3.Cは烏口突起
4.正しい
5.棘上筋


36)頭部の T2 強調画像を以下に示す.矢頭(▽)のアーチファクトに関する正しい記述はどれか.3つ選べ.

  1. 増毛パウダーが原因である.
  2. 歯科インプラントが原因である.
  3. コイルの感度不均一が原因である.
  4. オーラ(Aura)サインと呼ばれている.
  5. 磁化率アーチファクトと呼ばれている.
解答
1.4.5

37)救急搬入された患者の画像を以下に示す.この患者の症状として最もふさわしいのはどれか.

  1. 右上肢片麻痺
  2. 右下肢片麻痺
  3. 視覚野障害(半盲)
  4. 意識消失呼吸不全
  5. 構音障害(ろれつ困難)
解答
5

38)男性骨盤の MR 画像を示す.正しい記述はどれか.2つ選べ.

  1. 図 a は ADC マップである.
  2. 図 b は T1 強調画像である
  3. この患者は生検を施行したほうが良い.
  4. 前立腺移行領域に前立腺癌が疑われる.
  5. 前立腺中心領域に前立腺肥大(BPH)が認められる.
解答
3.5

解説
1.DWI 高b値の画像
2.T2強調画像。正常の前立腺辺縁域はT2で高信号となる。
3.正しい
4.辺縁域に前立腺癌が疑われる
5.正しい

39)正しい組み合わせはどれか.2つ選べ.

  1. 卵巣癌 ― Bridging vascular sign ― MRA 像
  2. 肝細胞癌 ― Corona sign ― 拡散強調像
  3. 動脈解離 ― Pearl and string sign ― FLAIR 像
  4. 前立腺癌 ― 神経血管束 ― T1 強調像
  5. 子宮頸癌 ― Stromal ring ― T2 強調像
解答
4.5

解説
1.T2強調画像
2.EOBダイナミック撮像
3.MRA
4.正しい
5.正しい

40)下図は JIS Z 4951:2017 の傾斜磁場出力上限値を示している.正しい組合せはどれか.
横軸(ts, eff)は実効刺激持続時間(ms)とする.

解答
1

解説
認定試験前の講習に記載されていました

41)一般的名称 永久磁石式全身用 MR 装置の薬機法上における位置づけとして正しいものはどれか.3つ選べ.

  1. 設置管理医療機器
  2. 高度管理医療機器
  3. 内臓機能検査用器具
  4. 特定保守管理医療機器
  5. 放射性物質診療用器具
解答
1.3.4

42)下表は JIS Z 4951:2017 の固定パラメータオプション:ベーシック(FPO:B)の上限値を示している.( )の中に入る
正しい組合せはどれか.


解答
1

解説
認定試験前の講習に記載されていました

43)以下の記号に関する正しい記述はどれか.2つ選べ.

  1. A は MR 適合を示している.
  2. A は MR 画像に影響がないことを示している.
  3. B は添付文書を参照してほしいことを示している.
  4. B は MR 撮影室入り口に掲示しておくべきである.
  5. C は取扱説明書を参照してほしいことを示している.
解答
1.5

解説
1.正しい
2.AはMR検査可能を示している
3.BはMR条件付き適合を示している
4.入り口には掲示しない。医療デバイスの取扱説明書等に記載されている
5.正しい

44)正しい記述はどれか.2つ選べ.

  1. 短期 SAR とは任意の2分間の SAR 上限値として規定されている.
  2. SAR は静磁場強度に比例し,高周波磁場強度の2乗にも比例する.
  3. 成人に高周波照射4W/kg で体内深部温度 1℃上昇が規格上の考え方である.
  4. SAR×検査時間で示す最小エネルギー量がリスクマネジメントにより制限される.
  5. MR 装置は 140dB より高いピーク音圧レベルの騒音を生じてはならないと規定されている.
解答
3.5

解説
1.6分間の平均
2.静磁場強度の2乗に比例し、高周波磁場強度の2乗に比例する。
3.正しい
4.SAR×検査時間で示す最大エネルギー量がリスクマネジメントにより制限される.
5.正しい。患者検査時は、耳栓等を使用し、99dBより高いピーク音圧レベルの騒音を生じてはならないと規定されている.
SAR=電気伝導率×デューティーサイクル×周波数²×RF磁場強度²×球体半径²/(20×組織密度)

45)クエンチに関する正しい記述はどれか.2つ選べ.

  1. ヘリウムガスは毒性かつ引火性である.
  2. 永久磁石型 MR 装置でもまれに発生する.
  3. MR 室(撮像室)内のドアは内開きであることが望ましい.
  4. ヘリウムガス排気口の付近には警告表示板などを設置して注意喚起すべきである.
  5. 緊急減磁装置作動時に磁場が 20mT になるまでの時間は取扱説明書に記載されている.
解答
4.5

解説
1.ヘリウム自体に毒性はない。大量のヘリウムガスは酸素欠乏をもたらすため注意が必要。ヘリウムガスは空気より高いので天井付近にたまる。引火性もない。
2.超伝導型のみ発生する。
3.外開きが望ましい。ヘリウムガスが気化すると770倍になるため扉が開かなくなる。
4.正しい。
5.正しい

MRI完全解説 p370

46)JIS Z 4952:2012 「磁気共鳴画像診断装置-第 1 部:基本画質パラメータの決定方法」に規定されている項目はど
れか.3つ選べ.

  1. 比吸収率
  2. 信号ノイズ比
  3. 2 次元幾何学的歪
  4. 末梢神経刺激出力
  5. ゴーストアーチファクト
解答
2.3.5

47)令和元年 8 月 1 日付で厚生労働省医薬・生活衛生局から発令された「植込み型医療機器等の MR 安全性にかかる
対応について」に関する正しい記述はどれか.2つ選べ.

  1. ASTM や ISO に基づく MR 検査に関する安全性評価をしていない植込み型医療機器を販売してはならない.
  2. MR Conditional とするため ASTM の試験規格に基づく MR 安全性評価を実施した場合は B1+rms の値を記載
    する.
  3. ISO 等の ASTM 以外の試験規格により MR 検査に関する安全性評価をした場合は別に厚生労働省に審査申
    請を行う.
  4. MR Safe とする場合は【使用上の注意】の[重要な基本的注意]の項に「一般的な MR 検査による影響はない」
    と記載する.
  5. MR Unsafe とする場合は【禁忌・禁止】の項に「MRI 検査は禁忌とする」と記載のうえ MRI 装置が併用禁忌であ
    ることも記載する.
解答
4.5

48)令和元年 8 月 5 日付で日本磁気共鳴医学会から発令された「臨床 MRI 安全運用のための指針」に関する正しい記
述はどれか.3つ選べ.

  1. 造影剤の使用削減を求めている.
  2. 安全管理のために入室者制限を設けるように求めている.
  3. メンテナンス関係者にも安全管理体制の整備を求めている.
  4. 安全管理チームに磁気共鳴専門技術者を含めることを求めている.
  5. 安全管理責任者に関連団体の安全性講習会に参加するように求めている.
解答
3.4.5

49)MRI 検査時の安全性に対する判断について最も正しいのはどれか.

  1. 酸化鉄を含む刺青も装置が改善されて安全に MRI 検査が可能になった.
  2. 妊娠初期の妊婦に対する MRI 検査は胎児への影響が大きいので禁忌である.
  3. 授乳中の患者への造影 MRI 検査は母乳から造影剤が漏出されるので禁忌である.
  4. 添付文書の記載事項を遵守しない場合は特段の理由がない限り刑事罰則が適用される.
  5. ステントの空間磁場勾配の制限値が 680gauss/cm の場合,最大空間磁場勾配が 800gauss/cm の MRI 装置
    では検査ができない.
解答
4

50)以下の MRI の危険因子に関する説明で正しいのはどれか.2つ選べ.

  1. 吸引は静磁場によって起こり,中心部が最も強く働く.
  2. 発熱は誘導電流によって起こり,ボアの端の方で大きく発熱する.
  3. クエンチによって液体窒素が気化しても静磁場強度は保たれる.
  4. 騒音はフレミングの法則に従って静磁場からのローレンツ力によって発生する.
  5. 末梢神経刺激は変動磁場によって起こり,撮像部位から離れた部位で発生する.
解答
4.5


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